管理

イベントを実行する上で必要となるのは、第一に部隊全体の人員の得意とするもの、苦手とするものの把握、第二に部隊全体で使用できる人員の整理、第三に部隊全体で利用できる資材の情報、第四にすべての状況において考えられる最悪の事態を想定した予定を立てるということである。
第五段階もないことはないのだが、比較的4段階目までで終了させられる。
第五段階は多方面からの影響による変化、時間によって変化するものに対しての補給やそのためのルート確保と優先順位であるのだが。場合によっては第5段階が一番重要になることがなるので、その点については確実性を期すようにせねばならない。




過去に利用した、予定表のコピーが未だに家の中に現存していたので、それを写真で撮影して掲載する。
高等学校3年生のときに確か記述し、配布したものであったはず。
そして、何よりもこれは1日目のものなので、情報量が少ない。
あの学園祭の本番は2日目である。
2日目にはトラブルが起きることが前提で全てに対しての対処法を考えておかなければならない。


各種段階別の理由

  • 部隊全体の人員の特性の把握

全てにおいてその他の人員と比較して突出した能力を持った人間などは、そうそういない。
中にはそういった人間もいるのだが、どうしてもそういった人員を取得したり育成することは不可能に近い。
むしろ、多種多様な人間がいることのほうが多いだろう。
というわけで、部隊全体の人員の得意とする内容について把握をしておくということは当たり前のことで、それだけでなく、苦手とすることの内容、またはそれをフォローすべきときには誰と一緒に組ませるべきなのかという事さえも考えて配置を考えなければならない。



  • 部隊全体で使用できる人員の整理

人員数というものは、常に変動する。
それは、特にイベント中は顕著で、また流動性を持つものであるともいえるだろう。
ならば、すべてにおいて把握し、流れを整理してやることで、管理することが可能だ。


そもそも、イベント中全時間帯において稼働中という人員はほとんどなく、むしろ休息をとらせることも重要となるし、ローテーションを組んで、別のほうから人員を引っ張ってくることも考えなければならない。
それだけでなく、部隊員が別の用事があり、持ち場を離れるということさえも情報として入手しておかねばならない事は、言わずともわかることだろう。



  • 部隊全体で使用可能な資材情報の整理

一番の重要事項であったりする。
イベント中で常に不安要素として付きまとう問題には多く二つあり、一つ目はマンパワー的な問題、二つ目は機材的な問題による問題である。別に時間の問題はたいした問題ではない。これは、5つ目の課題が突出した瞬間に必要となるだけであり、本来の任務ではまったく問題はない。


部隊を統制していく上で一番必要であると考えられる、資材の情報管理を行うためには、常に資材内容の確認と、その資材すべての特性を理解し、長所と短所までも把握しておく必要がある。
この点は部隊長だけでは不可能な点も多い事から、その手の専門家やまたは資材管理担当とともにその長所と短所を確認し、作戦を練る必要性がある。
資材の物量としては、十分すぎるほどあればよいのだが、実質的な問題点としてそれだけのものを用意するだけの予算は通常取得することができない。それならば、確実に必要なものが必要な場所に行き渡るようにせねばならないというのは、必然である。
そのため、資材や機材の情報管理は必要であるし、それを把握した上で割り振りを決定せねばらない。



  • すべての状況に対して最悪の状態を考慮した上で作戦を立てる

状況が悪化し、イベントが中断されることはあってはならない。
この点だけはどうしても守らなければならないのだが、どういうわけだか機材は機械の分際で人間らしくたまにスネることがある。理由はよくわからない。たいていの場合、こちらも準備やリハーサルを入念に行っていたりしているにもかかわらず、起きるのである。
最悪の事態というのは、例えば現段階で使用している装備が故障した、または接続するための資材がなくなった、または唐突に断線した、紛失した、停電した、さまざまな内容が挙げられるが、言ってしまえば
トラブルシューティングに関連する内容である。
対処するためには、対処可能な人間を数名準備しておくことが必要となる。
ジョーカーを作成しておき、場合に応じてカードを切る。
資材についても予備を用意し、万全の対策を講じる必要がある。
しかしながら、一番重要なところは人間によるものであるということを忘れてはならない。
現行の通常出回っている技術では、機材の故障や断線は、機材単体で修復するということは不可能に近い。現実問題として、人間がいって修理修復せねばならないだろう。








以上のことから

必要なことは

  • 情報をすべてにおいて取得

下準備が必要となるが、時間をかける、部隊員を観察する、色々やらせてみる事でわかることが多い。
または、自己申告制。

  • それらを分別し、有用に利用する

情報は取得しただけではまったく利用することはできない。
作戦状況に応じてそれらを展開させることができるかどうかが重要となる。

  • 情報の伝達と共有

情報の共有は特に重要になってくる。上の人間だけ割り振りや予定を知っていたのでは、何らかの突発的なイベントに対しての処理が間に合わなくなる可能性がある。
部隊員に所属する人間でも、情報の共有を促す。
これは、関係各所、連動して動く別部隊に対しても情報の共有は必要となるので、それも行っておく。
また、情報の伝達をスムーズにするために、部隊員には各種情報伝達可能な機器を取得させておく。
それは、各個人があらかじめ決められていた内容とは別の行動をとる場合に、連絡を入れる、または何らかの異変があった場合には速やかに連絡を行うなどの必要性があるためである。
多少小さなことであっても、報告させるようにすることで、ひずみを減らす事はできるはずである。

規模によって変化するものの、これをやっておくとかなり楽になるのは確か。
状況が変化した場合にパニックに陥らずに、対処することができる人員が複数名いるというだけで、安心感がある。
そのジョーカーたちは、リーダーが選抜するだけではなく、すべての人間が、「彼、彼女を呼ぶことでトラブルが解消される」という程度のレベルになる。その意味からも、「ジョーカー」は、本当に「ジョーカー」なのである。
リーダーがそれに当たる場合はリーダーを除いた人間の数ということで、確保しておかなければならない。
リーダーは本来、こういった場合は指示に徹し、自ら進んで動くものではないからである。

  • 最悪の状況を想定して常に準備しておく

トラブルシューティング用に、あらかじめ数個の応急セットを用意しておく。
そのセットさえもち、また、その場において必要なものさえあとは引っつかんで移動するだけですべてを解決できるほどの準備をして、それでいてようやく最悪の状態に対する最低ラインでの対処が可能になるだけにすぎない、ということも付け加えておく。
実質的には、その場にいる人間だけでも対処できるように、すぐ傍に予備を準備しておかねばならないのだが。





石橋をたたいて渡る

石橋をたたいてわたるだけではなく、わたらないくらいの慎重さがあってもよいだろう。
そういた準備やリハーサルを繰り返したうえで、イベントは実行可能になる、とも言える。